建築士になるには? 東北の住宅業界で転職するためのステップ
2024/01/26
東北で住宅業界の求人を探しているなら、まずは転職に必要なことについて知っておくべきです。
まず建築士には、木造建築士、二級建築士、一級建築士の3種類があります。この中でも一級建築士の平均年収が1番高く、転職も比較的しやすいです。
また、一級建築士になるためには、資格を取得しなければなりません。受験する際に、実務経験が必要になるケースもあります。社会人が建築士になる場合は、実務経験を積むか、働きながら専門学校に通うかの2つの方法があり、自分に合った方法の選択が必要です。
まずは建築士の役割と転職市場を知ろう
デザインが得意な方や、街づくりに興味がある方のなかには、建築士に憧れる方も多いかもしれません。こちらでは、東北の住宅業界への転職を検討している方に向けて、住宅業界における建築士の役割、平均年収、転職市場について紹介します。
住宅業界における建築士の役割
主な仕事は建物の設計業務ですが、住宅業界での主な役割としては以下のようなものがあります。
・住まいの設計および工事管理
・施主への重要事項説明
・工事の指導監督
・工事契約に関する事務
・建物の調査および鑑定
建築士には、木造建築士、二級建築士、一級建築士の3種類があり、いずれも国家資格ですが、取得している資格によって扱える建物が異なります。
木造建築士
取り扱える建築物は、木造のみです。
二級建築士
設計できる建物は、延べ面積500㎡以下の公共建築物、木造建築物に限定されます。
一級建築士
マンション、超高層ビルを含めたすべての建築物の設計、および工事管理が可能です。
平均年収と転職市場
建築士の平均年収と転職市場の現状は、次のとおりです。
平均年収
厚生労働省の「平成29年賃金構造基本統計調査」によると、一級建築士の平均年収は、男性が約653万円、女性が約561万円でした。
なお一級建築士でも、活躍する場によって年収は変動し、大手ゼネコンや建築事務所に就職すれば800万~1,000万円以上の年収になることもあります。
転職市場
2021年8月の建築・土木・測量技術者の有効求人倍率は、5.36倍でした。有効求人倍率は2017年以降5倍以上を保っているため、建築士の転職市場は売り手市場といえるでしょう。
国土交通省の発表では、建設業全体の就業者数も減少傾向にあるため、建築士としての住宅業界への転職は、比較的しやすいといえます。
建築士として転職するためのステップ
次に、住宅業界に建築士として転職する際に必要なことについて見てみましょう。資格取得へのプロセスと社会人が建築士になる方法は、次のとおりです。
資格取得へのさまざまなプロセス
建築士の資格を取得するプロセスは複数存在しますが、まずは受験資格を満たさなくてはいけません。二級建築士と木造建築士の受験資格は、建築士法第15条で以下のように定められています。
第一号 大学、短期大学、高等専門学校において指定科目を修めて卒業する
第二号 高等学校、中等教育学校において指定科目を修めて卒業する
第三号 都道府県知事が認める者建築設備士
第四号 建築に関する学歴なし、実務7年以上
※資格取得の最短ルートは、高校卒業する、建築学科の短大を卒業する、受験して資格取得となります。
社会人が建築士になるには
建築に関する学歴がなくても建築士の資格は取得できるため、社会人になってからでも転職は可能です。社会人が未経験で建築士として住宅業界に転職する具体的な方法は、次の2つのいずれかになります。
転職して実務経験を積む
学歴なしでも、実務経験を7年積めば受験資格が得られます。この場合、転職先は設計図書や施工図を取り扱う建築士事務所や設計会社が望ましいです。こちらの方法は、社会人としての経験ができるだけでなく、収入も得られるため、学費などの経済的負担を軽減できるメリットがあります。
専門学校に通う
より早く受験資格を満たしたい方は、専門学校に通うのがおすすめです。専門学校で学べば2年で受験資格を取得できます。夜間の専門学校であれば、働きながら受験資格を得ることが可能です。専門学校の学費は、通常100万円以上かかりますが、通信講座や教育訓練給付金を活用すれば、学費は安く抑えられます。
東北での最適な建築士求人の見つけ方
建築士を目指して住宅業界へ転職しても、仕事が忙しすぎたり、会社の理解がなかったりすると、思うように勉強がはかどらないでしょう。こちらでは、東北で建築士として住宅業界へ転職する際に、適切な建築士求人を見つける方法と、おすすめの転職先を紹介します。
求人情報の見つけ方
建築士求人の情報は、主に以下の3つの方法で見つけることが可能です。
求人サイト
会社のホームページに求人情報を掲載していることもよくありますが、1社ずつ調べるとかなりの時間がかかります。求人サイトを活用すれば、条件にあった建築士の求人情報を1度で見つけられて便利です。
ハローワーク
地元の求人情報を探すのに適しています。通常、平日の開庁時間は8:30~17:15で、土曜日の開庁時間は10:00~17:00ですが、地域によって異なるため確認が必要です。求人情報はインターネットでも調べられます。
転職エージェント
転職エージェントを利用すれば、キャリアアドバイザーが求職者のヒアリングを行い、条件にあった求人情報を提供してくれます。非公開の求人情報を得られたり、条件交渉を依頼できたりするのが魅力です。建築士を目指すなら、住宅業界や建築業界に特化した転職エージェントを選ぶことをおすすめします。
建築士のおすすめの転職先
建築士になる夢を実現しやすい主な転職先は、次の5つです。
建築会社
土木営業、施工管理、設計などの仕事を経験できます。
設計事務所
堅実なデザインを得意とする組織系と、特殊なデザインを行うアトリエ系があります。
デベロッパー・不動産業者会社
都市再開発やリゾート施設といった、大きなプロジェクトに携われます。能力に応じた高い給与水準も魅力です。
飲食店や販売会社
建物のデザインや店舗の内装設計を行います。
ハウスメーカー
戸建ての設計、建築、販売が主な仕事です。
建築士は住宅業界で主に建物の設計業務に携わっています。木造建築士、二級建築士、一級建築士の3つの資格があり、扱える建物が異なるため、適切な資格を選択して取得することが重要です。平均年収は一級が高く、2021年8月の有効求人倍率は5.36倍で、売り手市場が続いています。
資格の取得に必要なステップは学歴や経験により異なるため、自分に合った方法を選択しましょう。社会人が建築士に転職するには、実務経験を積むか、専門学校に通うことで資格取得が可能です。
求人情報は求人サイトやハローワーク、転職エージェントを利用することを推奨します。建設会社や設計事務所、デベロッパー、飲食店や販売会社、ハウスメーカーが転職先の選択肢です。