文系でも建築・建設の仕事がしたい!転職成功事例も紹介
2024/06/26
文系の人々も建築・建設業界で活躍する機会があります。文系でも建築業界で働くためには、大学や短大の建築学科で学ぶ、通信教育を受ける、未経験で業界に入るなどの方法があります。
文系の素養は顧客とのコミュニケーションやプレゼンテーション、文章作成に役立ち、特に注文住宅の設計で重宝されます。
ただし、建築士資格の取得には実務経験が必要で、文系出身者にはハードルが高い場合もあります。施工管理やアルバイト・派遣からのキャリアスタートも有効な方法です。
具体的な転職事例として、カスタマーサービス職から施工管理職、営業職から設計士に転職したケースがあります。
文系でも建築・建設業界で働ける?
建築・建設業界といえば、理系のイメージが強いのですが、文系のバックグラウンドを持つ人も多く活躍しています。文系でも建築業界で働くための具体的な方法と、文系の素養がどのように重宝されるのかについて解説します。
◇文系でも建築関係に就職できる?
文系でも建築業界で働くための方法はいくつかあります。
・建築学科のある大学・短大で学ぶ
大学や短大の建築学科では、建築に関する基礎から応用まで幅広いカリキュラムが組まれており、業界で必要とされるスキルを習得できます。また、このルートの場合、卒業後2年間の実務経験を積むことで、一級建築士の受験資格を得られる点もメリットです。
・通信教育が可能な大学や専門学校で学ぶ
フルタイムで学ぶことが難しい人には、通信教育がある建築学科への進学がおすすめです。通信教育では、働きながらでも自宅で建築の知識を得られます。
・未経験で建築業界に就職する
文系出身者でも、未経験から建築系の会社へ就職することが可能です。例えば、営業職や企画職、マーケティング職などでは文系のスキルが活かされる場面が多くあります。
◇文系の素養は重宝される
住宅の設計において、文系の素養が求められる理由は多岐にわたります。顧客とのコミュニケーション能力、プレゼンテーションスキル、文章作成能力などは、顧客の要望を正確に把握し、それを具体的な形に落とし込むために重要です。
特に注文住宅では、顧客のライフスタイルや好みを理解し、デザインに反映させることが求められるため、文系の素養が役立ちます。このような背景から、求人でも理系に限定せずに募集をかけているケースがみられます。
職種によってはハードルが上がる
建築業界で文系出身者が働く場合、特定の職種では必要な知識や資格取得のために高いハードルが存在します。
◇職種によっては数学や物理の知識が必要
建築業界には多様な職種があり、特に構造設計と設備設計では数学や物理の知識が不可欠です。
構造設計では、建物の安全性や耐震性を確保するために力学や構造理論を駆使します。高度な数学的理解が求められ、材料の強度や荷重の分散を正確に計算する能力が必要です。特に東北地方などは雪が多いため、積雪荷重の計算など特殊な計算方法も求められます。
一方、設備設計では、建物の電気設備、空調設備、給排水設備などを設計するために物理学の知識や計算法が必要です。
◇建築士資格の取得で不利になる
建築士資格は、建築業界でのキャリアを大きく広げるために重要ですが、文系出身者には取得が難しい場合があります。例えば、二級建築士の受験資格を得るためには、建築に関する学歴がない場合、7年以上の実務経験が必要です。
一方で、建築学科を卒業していると、最短で実務経験0年で受験資格を取得できます。この差により、文系出身者は資格取得までに長い時間がかかりがちです。
ただし施工管理技士については、実務経験年数の要件が撤廃されたため、文系出身者にとって比較的取得しやすい資格となっています。
文系でも目指しやすい建築業界の職種や働き方
建築業界は多岐にわたる職種と専門性を要求する分野ですが、そのなかでも文系出身者が活躍できる道があります。以下では、文系出身者が建築業界で選べる主な職種と、それぞれの進路について説明します。
◇施工管理を目指す
施工管理は、建築プロジェクトの進行管理や品質管理、安全管理などを担当する重要な職種です。現場での課題に対応しつつ、計画通りの工程進行を確保するためには、プロジェクトメンバーとの円滑なコミュニケーションが不可欠です。
このようなコミュニケーション能力や問題解決能力は、文系出身者が得意としている能力と言えます。また、建築法や規制に関する理解が必要であるため、文系出身者は論理的思考や法令解釈においても優位に立つことがあります。
◇アルバイトや派遣から始めてみる
建築関連のアルバイトや派遣での経験は、文系出身者にとって建築関連のキャリアを積む重要な機会です。設計事務所や建設会社での事務職や補助業務から入ることで、現場の実務経験を積めます。
実務経験を積みながら、オンライン教育の利用や夜間クラスに通うことで、より効率的に専門知識と実務経験の両方を学べるでしょう。
文系職種から建築業界へ転職した事例
ここからは、文系職種から住宅業界へ転職した事例をご紹介します。
◇カスタマーサービス職から施工管理職になったケース
コールセンターでカスタマーサービス職として働いていた女性が、不動産会社へ入社したケースです。
最初は営業事務サポートとして入社しましたが、彼女の優れたコミュニケーション能力や問題解決能力が評価され、会社の新しい部署である施工管理部の立ち上げに参画しました。
現在では、同部署でリーダーを務めており、プロジェクトの管理や現場の進行状況を把握する役割を果たしています。この事例は、カスタマーサービス職で培ったスキルが施工管理職においても重要であることを示していると言えるでしょう。
◇営業職から設計士になったケース
OA機器メーカーの営業職から、設計士に転職した男性のケースです。
もともと大学で心理学を専攻しており、新卒入社の会社では対人スキルや交渉力を活かして営業職に励んでいましたが、27歳で一念発起して新たなキャリアを求めて会社を退職しました。
設計士の資格を取得するために専門学校に通い、建築設計の基礎を学び、その後地元の企業に見習いとして就職しました。さらに実務経験を積みながら設計士の資格を取得しています。
転職した会社で初めて設計士として採用され、現在はさまざまなプロジェクトに携わっているとのことです。
建築学科では建築に関する基礎から応用まで学べ、必要なスキルを習得できます。通信教育なら働きながらでも学べますし、未経験からの就職も可能です。
文系の素養は、顧客とのコミュニケーション能力、プレゼンテーションスキル、文章作成能力などで役立ちます。特に注文住宅の設計では、顧客のライフスタイルや好みを反映させるために重要です。
文系出身者が目指しやすい職種としては、施工管理やアルバイト・派遣から始める方法があります。施工管理はプロジェクトの進行管理や品質管理、安全管理を担当し、コミュニケーション能力や問題解決能力が求められます。建築関連のアルバイトや派遣での経験は、実務経験を積む重要な機会となります。
具体的な転職事例として、カスタマーサービス職から施工管理職になった女性や、営業職から設計士に転職した男性がいます。これらの事例は、文系のスキルが建築業界でも重要であることを示しています。