住宅業界と業態とは?不動産業との違いも解説
2024/04/24
住宅業界はハウスメーカー、工務店、設計事務所に分かれ、それぞれ特色がある。不動産業界との違いは、住宅業界が個別の住宅に特化し、不動産業界は施設や土地も扱うことです。地域の工務店では、持続可能な住まいを目指す取り組みが進行しています。
住宅業界の業態とは?
住宅業界には、ハウスメーカーと工務店があります。また、設計事務所はオリジナリティの高い注文住宅を提案し、デザイン性や自由度が重視されます。不動産業界とは異なり、住宅業界は個別の住宅に特化し、不動産業界は住宅以外の施設や土地も扱います。
◇住宅業界の主な業態
ハウスメーカーは、一般的な住宅メーカーや大手ハウスビルダーの総称です。自社で住宅の企画から設計、施工、販売までを一貫して行うのが常です。
一方、工務店は、建築の専門家や職人が集まって設立されている企業で、主に注文住宅やリフォームなどの工事を請け負っています。ハウスメーカーと工務店の間に明確な違いはありませんが、工務店は地域に密着した小規模な企業が多く、ハウスメーカーは全国展開の大手が多い傾向にあります。
また、設計事務所は、建築物の設計やプランニングを行います。ハウスメーカーや他の業者と提携してプロジェクトを進める場合もありますが、オリジナリティの高い注文住宅を建てたい場合には、デザイン性に優れ、自由度の高い家づくりを提案する設計事務所が好まれます。
◇住宅業界と不動産業界の違い
住宅業界と不動産業界は密接に関連しているとはいえ、扱う対象物件も異なりますし、取引形態もかなり違います。住宅業界は個別の住宅に関する取引をメインに行うのに対し、不動産業界は住宅以外に工場や土地、商業施設など、あらゆる不動産を扱っています。
住宅業界の業態による仕事内容の違い
ハウスメーカーは全国規模で、営業や設計、施工だけでなく、CADオペレーターやインテリアコーディネーターも独立しています。工務店はハウスメーカーよりも小規模で、独自工法やデザイン、機能に特色があります。設計事務所は主に設計を専門に行い、施工は他の業者に依頼することが一般的ですが、時には施工も請け負います。
◇ハウスメーカー
ハウスメーカーの多くは全国規模の住宅会社であるため、営業や設計、施工の他にCADオペレーター、インテリアコーディネーター、アフターフォローといった仕事が独立している場合が多いのが特徴です。
設計と資材の手配は自社で行い、施工は下請けに出すハウスメーカーも数多く見受けられます。
◇工務店
工務店は概してハウスメーカーよりも小規模なことが多く、受注可能なエリアも限られています。その分、独自工法やデザイン重視、住宅機能重視などで、それぞれの工務店が特色を打ち出しています。
工務店は自社で営業・設計・施工をすべて行う傾向にあり、専任の営業担当者を置かないことも珍しくありません。
◇設計事務所
設計事務所は、基本的に設計を専門に担当し、施工は工務店などへ依頼するのが普通です。ただし、施工も合わせて請け負う設計事務所も中にはみられます。
地元・東北で転職するなら工務店がおすすめ
ハウスメーカーと比べ、工務店は部署が独立していないため、家づくりの全フェーズに関われます。さまざまな業務に関われるため、営業から設計士へのキャリアチェンジや、営業と現場監督を兼務する事例も多数あります。
◇家づくりの全てに関われる
大規模なハウスメーカーは各部門が独立していることが多く、家づくりの全てのフェーズに携われるとは限りません。営業部署に勤務すれば、施工に関する知識を習得する機会はなかなか得られません。
その点、工務店はハウスメーカーよりも規模が小さいため、部署が独立していない、もしくはあってもコミュニケーションがとりやすいことが多いものです。
このため、相談からアフターフォロー、場合によってはリフォームなど、ひとつの案件の中でもさまざまな業務に関わる機会を得やすいというメリットがあります。
◇複数のキャリアプランを構築しやすい
全フェーズに関わる機会が増えるため、1人で複数のキャリアを構築することもできるのが工務店の特長です。実際、営業から設計士へキャリアアップした事例や、営業と現場監督を兼務している事例なども多数見受けられます。
将来性の高い工務店なら長期に渡って働ける
長期優良住宅は高品質で長期的に安定した住環境を提供します。ZEH(ゼッチ)住宅は自己発電がエネルギー消費を上回る住宅です。また、パッシブデザインは自然の力を最大限に活用して快適な居住環境を実現する建築設計手法です。
◇長期優良住宅
長期優良住宅というのは、高い品質を持ち、長期間にわたって安定した住環境を維持できる住まいのことです。一定の基準を満たしている住宅は、市区町村などの所轄行政庁から認定を受けることができます。認定を受けるためには、一定面積以上の住戸面積があり、しかも省エネルギー性や耐震性に優れていなければなりません。
◇ZEH・LCCM
ZEH(ゼッチ)住宅というのは、年間のエネルギー消費量と、自己発電による再生可能エネルギーの生産量がほぼ等しい、または自己発電のほうが多い住宅のことを指します。
一方、LCCM住宅はCO2の排出がトータルでマイナスになるような、持続可能な住宅のことです。LCCMは「Life Cycle Cost Minimization」の頭文字を取ったものです。
家を新築する段階で使う資材の加工・輸送や住んでいる間のエネルギー消費、修理などで使用する部材の製造・輸送など、すべての段階において排出されるCO2の削減を実現するのがLCCM住宅です。
◇パッシブデザイン
パッシブデザインは建築設計の手法のひとつで、自然の力や自然の条件を最大限に活用し、快適な居住環境を実現することを目標としています。
ドイツ発祥の手法であるパッシブデザインは、自然な風の流れを利用して室内の換気を促進したり、窓や庇の配置・形状を工夫したりすることによって、快適な住まいを実現します。
住宅業界には、ハウスメーカーや工務店、設計事務所などが存在し、それぞれ特色があります。ハウスメーカーは全国的な展開があり、一貫して住宅の企画から販売までを手掛けます。
工務店は地域密着型で、注文住宅やリフォームを請け負います。設計事務所はオリジナリティを重視し、注文住宅の設計を行います。これらの業態によって、家づくりのスタイルや働き方が異なります。
また、住宅業界と不動産業界は密接に関連していますが、扱う物件や取引形態が異なります。住宅業界では個別の住宅に特化し、不動産業界は住宅以外の施設や土地も扱います。
さらに、長期優良住宅やZEH、LCCMなどの取り組みがあり、持続可能な住まいの実現に向けた取り組みも進んでいます。