2024年問題は住宅業界にも影響する?転職する前に知っておきたい東北の業界事情
2024/02/15
労働者の時間外労働時間規制による2024年問題により、運送業界の収益減や離職率上昇が懸念されます。同様に、東北の住宅業界でも大工不足が深刻化し、時間外労働規制の強化で労働力不足が起こる可能性があります。その対策として、新3Kでの働き方改革や多様な人材雇用が進められ、業界の持続的な発展が期待されています。
2024年問題とは?
トラックドライバーの時間外労働時間の規制による2024年問題は、物流業界に大きな影響をもたらします。2024年4月1日から導入されるこの規制で、トラックドライバーの残業時間は年間960時間に制限されます。これにより、運送会社の利益やドライバーの給与、離職率の上昇が懸念されます。
◇トラックドライバーへの規制に伴う諸問題
トラックドライバーの労働時間規制により、年間の時間外労働時間が上限960時間に制限されます。この規制により、トラックドライバーの労働時間が減少し、1人当たりの配送量が減ることが懸念されます。その結果、運送会社は売上減少に直面し、特に中小企業は経営が困難になる恐れがあります。
さらに、運賃の値上げが難しく、商品価格への転嫁が起こる可能性もあります。
◇2024年4月から対象となる事業
時間外労働規制の改正では、労働者の健康と福祉を保護するため、月45時間・年360時間の上限が設けられています。特別な事情がある場合でも、年720時間以内の労働のみが認められ、休日労働を含めても月100時間未満、かつ2〜6か月平均で80時間以内に制限されています。
大企業には2019年4月から、中小企業には2020年4月から適用されている。
法違反の判断基準も変更され、「法定外労働時間」の超過時間で判断されるようになりました。
東北の住宅業界における2024年問題の影響
東北の住宅業界では2024年問題による人手不足が深刻化しています。特に大工の不足が大きな課題で、残業規制強化により労働力不足が懸念されるでしょう。
◇人手不足は深刻化
東北の住宅業界では、2024年問題による人手不足が深刻化しています。特に大工の不足が顕著であり、2024年からの残業規制強化により、建設業界全体の労働力不足が懸念されます。
時間外労働の上限が厳しくなることで、業界全体が厳しい状況に直面し、違反企業は罰則を受ける可能性もあります。
また、人口減少や高齢化と相まって、技能者の減少が深刻化し、大工の数が急速に減っています。このままの流れが続けば、住宅建設業界の人材不足が一段と深刻化し、社会全体に大きな影響を与える可能性があります。
◇東北の住宅ニーズは高め
住宅の所有の割合を都道府県別にみると、持ち家の割合が最も高いのは、秋田県の77.3%です。次いで、富山県が76.8%、山形県と福井県が74.9%、岐阜県が74.3%などとなっており、日本海側や北陸地方で高くなっています。
東北地方は戸建て住宅の需要が比較的高い地域であり、人手不足の問題は住宅業界に最も大きな影響を与えることが予測されます。
2024年問題に対する東北の住宅業界の取り組み
東北の住宅業界は2024年問題に対応し、「新3K」で働き方を改革する取り組みを進めています。また、キャリアアップや多様な人材雇用を推進し、特に女性労働者の割合は、増加傾向を辿っています。
◇「新3K」で働き方を改革
東北の住宅業界では2024年問題への取り組みが始まっており、対応策の一環として、国交省が主導する「新3K」プログラムがあります。このプログラムにより、給料、休日、希望といった労働条件の改善が見込まれています。
特に給料面では、労務費見積もり尊重宣言の発表により、下請け企業の報酬が見直され、適正な報酬が支払われる見通しです。
また、国が直轄する工事では週休2日制が導入されることが方針として示され、建設業界全体に波及することが期待されます。
さらに、ICTの活用により、労働力不足を補うための取り組みも進んでいます。これらの施策により、建設業界の労働環境が改善され、人手不足が緩和されることが期待されます。
◇キャリアアップや多様な人材雇用を推進
東北の住宅業界は、2024年問題に対処するため、積極的な取り組みを行っています。具体的には、建設キャリアアップシステム(CCUS)の導入により、技能者の資格や経歴を明確にし、適正な評価や業務負担の軽減に役立っています。
また、若年層に建設業を魅力的な職業として紹介し、スキルアップの機会を提供することで、将来の技能者確保に取り組んでいます。さらに、女性労働者の増加を促進するために、職場環境の改善や女性の就業の継続に重点を置いた取り組みを進めています。
この取り組みの成果として、女性の求人情報が増加し、女性が住宅業界に転職する割合も増加しています。これにより、東北の住宅業界は2024年問題に適切に対応し、持続的な発展を目指しています。
2024年問題は、労働者の時間外労働時間の規制に関するものであり、この規制により、運送業界などを中心として大きな影響が及んでいます。規制の導入により、トラックドライバーの残業時間が年間960時間に制限され、業界全体に収益減や離職率上昇といった懸念が広がっています。
労働時間規制に伴い、業界内でさまざまな問題が浮上しています。規制により労働時間が減少し、トラックドライバー1人当たりの配送量が減少する可能性があり、それによって運送会社の売上減少や中小企業の経営困難といった課題が生じる恐れがあります。また、運賃の値上げが難しく、商品価格への転嫁が起こる可能性もあります。
2024年問題の規制は、労働者の健康と福祉を守るための措置として導入されました。この規制は、労働者の月45時間・年360時間の上限を設け、特別な事情がある場合でも、年720時間以内の労働のみが認められます。大企業には2019年4月から、中小企業には2020年4月から適用されました。
一方、東北地方の住宅業界では、2024年問題による人手不足が深刻化しています。特に大工の不足が大きな問題となっており、残業規制の強化により労働力不足が懸念されています。時間外労働の上限が厳しくなることで、業界全体が厳しい状況に直面し、違反企業は罰則を受ける可能性もあります。加えて、人口減少や高齢化との相まって、技能者の減少が深刻化し、大工の数が急速に減少しています。
このような状況下で、東北地方の住宅業界は2024年問題に対処するため、「新3K」で働き方を改革する取り組みや、キャリアアップや多様な人材雇用を推進しています。これらの取り組みを通じて、労働環境の改善や人手不足の緩和が図られ、持続的な発展が期待されています。