一級建築士は未経験でもなれる転職できる職種というのは本当か?
2023/12/18
住宅業界への転職を検討している方にとって、一級建築士へのキャリアパスは複数あります。資格がなくても仕事に従事することは可能ですが、資格を取得すれば、より幅広い仕事に携わるチャンスが広がります。資格取得には、大学や専門学校で学ぶ方法や、実務経験を積む方法などがあります。
資格取得および仕事に従事するための方法
一級建築士として働くには専門知識と国家資格が必要なため、大学で建築を学ぶ方も多くいます。しかし一級建築士になるルートは複数あり、他の業種から未経験で住宅業界へ転職し、一級建築士を目指すことも可能です。
◇資格がなくても仕事への従事は可能
建築士事務所を開業する際は、管理建築士がひとり常勤で在籍していなくてはいけません。しかし、事務所のスタッフに関しては必ずしも資格は必要なく、建築士の資格が必要とされるのは特定の業務に限られています。
つまり、未経験でも住宅業界へ転職して設計関係の仕事に従事し、働きながら一級建築士を目指すことも可能です。
◇必要な科目の履修
大学、短期大学、高等専門学校において、必要な科目を履修し卒業すれば、木造建築士と二級建築士の試験を受験できます。夜間の専門学校でも必要な科目を履修できるため、未経験で住宅業界へ転職して、働きながら夜間の専門学校に通い一級建築士を目指す方法もあります。
必要な科目を履修すれば実務経験は必要なく、最短2年で木造建築士と二級建築士の資格を取得することが可能です。必要な科目と単位数は学校の種類によって異なるため、(公財)建築技術教育普及センターの公式サイトを参考にしましょう。
◇実務経験を経て受験資格を得ることも可能
学校で学べば受験に必要な科目を履修できますが、仕事との両立が難しく、夜間の専門学校でも学費が100万円以上かかってしまうのがデメリットです。
一方で、学校に通わず実務経験を積むだけで受験資格を得る方法もあります。具体的には、建築実務の経験を7年以上積み、二級建築士の資格を取得した後、二級建築士として4年以上実務経験を積むことで、1級建築士の資格を取得できます。
学校で学ぶより、資格取得までかなり時間がかかってしまいますが、近くに専門学校がなかったり、学費を払う余裕がなかったりする場合は、実務経験を経て受験資格を得る方法を検討してみるとよいでしょう。
一級建築士としてのやりがいや魅力とは?
次に、一級建築士として働く上でのやりがいや魅力を見てみましょう。一級建築士は建物の設計や工事監理ができるだけでなく、建築士だからこそ経験できることもあります。
こちらでは、東北の住宅業界への転職を目指している方のために、一級建築士としてのやりがいと魅力を紹介します。
◇自分の設計通りに住宅が建築される達成感
建築士は安全性と機能性の高い家を、顧客の要望に沿って予算内で実現させなくてはいけないため、高い技術が求められます。常に納期がありプレッシャーを感じやすい職種ではありますが、自分が設計した図面が建物になりその先数十年存在し続けるのは、設計士にとってこの上ない喜びです。
家の建築には、大勢の人が関わるので、設計通り工事が進まなかったりすることもありますが、完成した際はプロジェクトに関わったすべての人たちと達成感が味わえます。
◇顧客の喜びを直接的に感じられる
デザインや設計を行う職種は他の業種にも数多く存在しますが、販売は他の部門が行っていて顧客の反応を数字でしか確認できないことも少なくありません。住宅業界の建築士は顧客の要望を直接ヒアリングするため、要望にあった図面を完成させた場合は、相手の喜びを直接感じられます。顧客を幸せにできる充実感は、自己肯定感が高まりモチベーションの維持にもつながるため、仕事のやりがいも感じやすいでしょう。
◇新しいものを取り入れられる
住宅業界の企業は、住まいを建築するだけでなく、新しいデザイン、建築構造、工法、設備などを開発しています。建築士も時代に乗り遅れないよう常にアンテナを張り、情報収集をして最先端の技術を住まいの設計に取り入れていかなくてはいけません。
新しいことにチャレンジし続けることは不安が伴いますが、新しいものを取り入れ、今までにない住まいを世に出せるのも建築士にしか体験できないことです。
住宅業界へ一級建築士としての転職する
未経験で住宅業界に転職して、一級建築士を目指すことは可能ですが、長く勤めるためには転職先選びもとても大事です。転職先を選ぶ際の主な注意すべきポイントは、次の3つです。
◇どのような分野の設計がしたいのか明確にする
住宅業界には、分譲住宅事業、賃貸住宅事業、注文住宅事業があり、建物にも戸建てや大型のマンションなどがあります。分譲住宅事業や賃貸住宅事業での設計は、ある程度規格が決まっているため、設計する際の自由度は高くありません。
注文住宅事業でも、フルオーダーとセミオーダーがあり、企業によって住まいへのこだわりも異なります。転職先を選ぶ場合は、まずはどのような分野の設計がしたいのか明確にしておくことが重要です。
◇働きながらスキルアップができる環境であるか確認する
どんなに学ぶ意欲が合っても、時間に余裕がなかったり、上司や同僚の理解がなかったりすると仕事と勉強の両立はできません。
未経験で住宅業界へ転職を目指す場合は、転職先の職場が働きながらスキルアップできる環境であるか確認しておくことが大切です。資格を取得する時期や学ぶスピードは人によって異なるため、勉強方法や資格試験の時期を決めてから、転職先を選ぶと失敗が少ないでしょう。
資格取得にかかる費用の負担を軽減したい場合は、社内研修制度や資格手当が充実した企業を選ぶことをおすすめします。
◇住宅業界に強い転職サービスを活用して支援を受ける
インターネットで、転職先の企業、業務内容、待遇など転職活動に必要な情報は簡単に検索できますが、複数の企業を調べるとなるとかなりの時間と労力が必要です。
そこで、転職エージェントを利用すれば、希望の職種、条件、待遇などを伝えておくだけで、希望に見合う仕事を探してくれます。転職エージェントには非公開の求人情報があったり、企業との条件交渉をしてくれたりするメリットがあり、仕事を探す時間を勉強の時間に使えるのも魅力です。
転職エージェントの支援を受けるときは、かならず住宅業界に強い転職エージェントを選びましょう。
住宅業界への転職を検討している方にとって、一級建築士としてのキャリアを築く方法は複数あります。
まず、一級建築士になるためには、専門知識と国家資格が必要ですが、資格がなくても住宅業界で仕事に従事することは可能です。建築士事務所で管理建築士が在籍しているため、その他のスタッフには資格が必要ありません。未経験から住宅業界に転職し、設計関連の仕事に従事しながら一級建築士を目指すことも可能です。
資格取得には、大学や短期大学、高等専門学校で必要な科目を履修する方法や、夜間の専門学校で学ぶ方法があります。必要な科目を修得すれば、木造建築士と二級建築士の資格を取得でき、最短2年で資格を取得することができます。
また、実務経験を積むだけで受験資格を得る方法もあります。建築実務経験を7年以上積み、二級建築士の資格を取得した後、四年以上の実務経験を積むことで、一級建築士の資格を取得できます。
建築士は設計通りに住宅を建築する達成感や、顧客の喜びを直接感じられる仕事です。さらに、新しいデザインや技術を取り入れることができるため、常に刺激的な仕事と言えます。
自身の興味や希望に合った分野を選び、働きながらスキルを磨ける環境かどうかを確認し、転職エージェントの支援を受けることを推奨します。一級建築士への道は多岐にわたりますが、自身の目標に合った方法を選び、成功を目指しましょう。